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オネーちゃんの言う「かわいい・カワイイ・可愛い」の意味

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先日、新規開店するとあるバーへロゴデザインの打ち合わせに行った。

オーナーは40代前半の、一言で言えば"チョイ悪オヤジ"な事業家である。デザインすることの意味は知っている。実際に店を切り盛りするのは、20代前半のオネーちゃん。

オーナーは、オネーちゃんにかなり入れ込んでるらしく、「ロゴはどうする?(ハート付)」なんつって、ロゴデザインをオネーちゃん任せにする意向の模様。

話しは前後するが、実はこのバーはオイラも物件選びから参加しているプロジェクト。居抜きで安く契約できた物件だ。さらにこの時点でロゴデザイン提案は2回ほど提出済。
オーナーのバーへの情熱や意気込みを汲み取り、会心のロゴを作成した。実際オーナーは喜んでいた。

しかし、オーナーから「テキストだけでいいって。」という連絡が入った。ん?他に誰かが介在しているの?

そう!この時初めて知ったのだ!ロゴの決定権はオネーちゃんにあることヲ!

そんで、打ち合わせに行きましたよ。PowerBookG4持って。先ずはフォントの方向性決定から。つまり、振り出しに戻る模様(涙)

予想外だが、このフォントの方向性はあっさり決定した。それもオイラも心の中でこのバーの名前にピッタリだと思っていたオススメのフォントだった!これは正直驚いた。
もしかして、このオーナーの事だから、このオネーちゃんにデザイン関係の才能があることに気づいているのかも。
なんて予想は見事に外れることとなる(笑)

三人並んで、真ん中のPowerBookG4をにらめっこ。
「もうちょっとふくらませて~」「もっと激しく~」「こう、ヒュルッってカンジの~」
で小一時間くらいこのやりとりが続いていくのだ。

こんなやりとりでは、絶対イイものはできないので、ロゴをイメージできるまでの物語を作ってあげることにした。つまり、「どういう店にしたいのか」「どんな人にきて欲しいのか」「どんなお酒をだしていくのか」「自分はどんなものが好きなのか」等を世間話的に聞き出し、デザイナーがそのたくさんのイメージを具現化にロゴにしていく手法を取ろうと思ったのだ。

オイラ 「どんな店にしたいの?」
オネーちゃん 「女の子っぽい店」
オイラ 「好きなブランドはドコ?ヴィトンとかエルメスとか」
オネーちゃん 「ん~。特にないかな~」
オイラ 「お店のイメージは?」
オネーちゃん 「カワイイのがイイ~」
オイラ 「・・・・・」

炸裂!オネーちゃん炸裂!である(笑)

つまりオネーちゃんである。誰かの金で店を出させてもらってるオネーちゃんである。物事をうまく伝えられないのである。「かわいい」論でも述べられているが、正体はボキャブラリがないので「カワイイ」という意味のない便利な共通言語を多用するイマドキのオネーちゃんなのである!

だからオーナーとオイラとで、オネーちゃんのイメージを通訳・要約・イメージ化して画面の表示させると「やっぱダメ~」なんて甘い声出しちゃうのである。実際の問題点はオネーちゃんにロゴのイメージが全くなく、何がなんだかわからなくなっていることであった。

でもオネーちゃんテンションアゲアゲで、「あーやってみて」「こーやってみて」と多種多様なイメージを提案してくれる(泣)ここでオーナーとオイラはコリャダメだゲージ沸点到達である。(笑)
オーナーの気遣いで、オイラを早々に引き上げさせてくれた。

印象に残ったのは、オーナーが言っていた、「アイツ達の言う「カワイイ」っつ~のは、可愛くね~からな~。困るよな。コワカワイイとかキモカワイイとかさ。どっちだかわかんね~よ。」である。

オネーちゃん達の言う「カワイイ」は英語で言う「cute」「lovely」「pretty」「sweet」ではないのだ。どちらかというと「grammar」「elegant」系のほうが色濃く、「怖い」とか「気持ち悪い」とかネガティブ意識よりも「コワカワイイ」や「キモカワイイ」というポジティブ意識の、都合のいい名詞的なコトバに変化してしまっていて、言葉の意味の範囲が宇宙みたいに膨張し続けて、そのうち全宇宙共通名詞的なコトバになっていく要素があるのだ。現に海外ではクールという意味で「カワイイ」というコトバが使われたり、「kawaii+ホニャララ」「ホニャララ+kawaii」というドメインもかなり取得されている。

バーのロゴは、やはりオーナーと決めることにする。先ずオーナーを説得するほうが、オネーちゃんの言う「カワイイ」という意味を理解するより確実に早いからだ。


「かわいい」論「かわいい」論
四方田 犬彦


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