「起業」というと日本ではまだ一世一代の大勝負的なイメージが残っていますね。
モノを作りサービスを始めるには初期投資として多額のコストが必要でした。
コツコツ貯めていたお金、銀行からの融資を、一発のチャンスに懸ける!というスポコン的なイメージ。最悪のケースになれば深刻なダメージを受けちゃいます。このご時世もっと気楽にもうける方法があるんでっせ。という本です。
監訳者のことば 本田直之 | 『1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法』特設サイト | 飛鳥新社
とは言っても、1万円で起業し儲けられますよ的なしょーもない本ではなく、
まとまった資金も資格も特別なテクニックも必要としない新しいお金の稼ぎ方を、数年かけて1,500人に徹底リサーチし丁寧にマニュアル化した本です。
目指すのは他人が喜んであなたにお金を払いたくなる価値あるものをつくり上げることだ。
via: P17
自分がやりたいことを実現しながら、何か価値あるものをつくり上げたいと願うなら、本書は役に立つはずだ。
via: P17
この二つの文章がこの本の骨子です。
マイクロビジネスの考え方を学びスタートアップし発展し持続させゴールを見据えるまでのコアな部分を凝縮した、かなり有用なマイクロビジネスの教科書です。
第1部 気がつけば、起業家
「第1部 気がつけば、起業家」では、マイクロビジネスの概念、自分に向いてるアイデアの出し方、ビジネスモデルへの発展方法などが書かれています。気になったキーワードなどを簡単にまとめてみます。
- 自分のスキルには別の使い道がある
- 思いついてから起業するまで1万円と1ヶ月あればよい
- 好きな事や得意なスキルを発揮する
- 好きで得意なスキルと他人の興味ごとの共通項目にチャンスあり
- スキルを転用する
- ビジネスでは「魚の取り方を教えれば一生生きられる」は間違い
- 与えたい、ではなく、ほしがるものを提供しよう
- 価値と特徴とベネフィット
- 古い人口統計ではなく新しい人口統計で考えよう
マイクロビジネスへのはじめの一歩はこう踏み出そうといった内容です。ビジネスアイデアを生み出すきっかけだったり、アイデアからビジネスモデルを作るために重要なことなどがわかりやすく書かれています。よし!やるぞ!という気になりまっちゃいます。
第2部 さあ、街で売ろう
「第2部 さあ、街で売ろう」では、ビジネスプランや計画の有無、ビジネスモデルの仕組みづくりなどが凝縮されています。気になったキーワードなどを簡単にまとめてみます。
- A4用紙1枚のビジネスプラン
- バインダーいっぱいの計画より、まずは行動する
- すばやくスタートし反応を見てから考える
- 革新ではなく有用性
- 確実に顧客の利益になるものを提供する「断れないオファー」
- 良くある質問(FAQ)はPRのためにある
- 発売はじらしてじらして一気に爆発させて一気に引く
- タダで与えればタダで帰ってくる売り込み方法
- 起業にお金はいらない。起業時の借金は不要
- 商品のコストではなくベネフィットに基づく価格
- 価値は低価格ではなくベネフィット
- 同じ製品・商品で2回以上稼ぐ
- 複数の価格帯は利益を上げやすい
自分のビジネスを売り込むマーケティングがメインです。
「ニューヨーク地図販売」や「アラスカのクーポン」「マラソンのオレンジ」「ヨガ・スタジオの背中を押すオファー」「ハリウッド映画に学ぶ新作販売手法」「芸術ワークショップの口コミ」「ナオミのお金が入り続ける仕組みづくり」など実例がどれも秀逸で楽しくてワクワクしてきます。どの事例もきっかけは些細なことです。しかし、アイデアが出たらすぐ行動して結果を出しています。とても勉強になります。
ビジネスも目的は利益だってことを忘れちゃダメです。好かれること、ソーシャルメディアで目立つ存在になること、誰も買ってくれないすごい製品をつくることではありません。ー 日常の行動ができるだけ直接、お金儲けにつながるようにしないといけないのです。
via: P178
このナオミの考え方を自分で吸収できているかいないかで、生きていくうえでも大きな差になるなぁと思いました。「生きてるだけで丸儲け」という名文句もあるくらいですしね。
第3部 利益を増やす次の一手
「第3部 利益を増やす次の一手」では、継続して利益を増やすために必要なテクニックが紹介されています。出てくる事例がホントためになる。気になったキーワードなどを簡単にまとめてみます。
- 商品の他言語対応など商品の微調整
- 3つのほんの少し(アクセス数、コンバージョン率、売り上げ)で大きく成長する
- 口コミは購入後の確認と発送メールのタイミングが適切
- 考えられるいちばん強力な保証をつける
- 逆に保証をつけない
- 定期的に価格を見直し価格を上げる
- 水平に広げるか垂直に掘り下げるか
- 自分のフランチャイズ化とアウトソーシング
- 事業を拡大するか維持継続するかは商材による
- 売却しやすいビジネスの条件
- アドバイスを受ける人よりあなたはそのビジネスの専門家
- 自分が何をする必要があるかわかっていればアドバイスは不要。行動すべし
たくさんの事例がありマイクロビジネスの進め方がよくわかります。将来的には事業拡大か規模継続か、ビジネス売却かを想定しておくべきですね。売却しやすいビジネスの条件を組み込んだ仕組みにしておくことでリスクが分散されますものね。
読んで考えたまとめ
日常のすべてのことがビジネスチャンスにつながるし、日常の行動を利益につなげるという、サラリーマンには超ストイックな考え方を知ることができました。
自分ができるスキルを売り込むのではなく、提供できるベネフィットを売り込む。スキルは手段・手法で、ベネフィットは欲しいもの・価値ですものね。
そういえば営業するときも営業されるときも、自分のスキルや製品の特徴などばかり説明していましたことです。そりゃ相手の反応が良くないわけです^^;。
相手に提供できるベネフィットを売り込むこと。価値は相手が判断することなんですよね。
みなさんも本書を読んで、資金も技術も不要な片手間でお金儲けできるマイクロビジネス、はじめてみませんか。ボクも日常生活にアンテナ張ってアイデア出しから始めてみます。
クリス・ギレボー 飛鳥新社 2013-09-11
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